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暗い牢獄の中、ティアはひとり座り込み、ただ全てを拒むように顔を伏せていた。

どうしてこんなことになったのか、ティアには分からなかった。
正確には、既に幾度も突きつけられたそれを、理解することを拒んでいた。

今まで身に纏っていた神託の盾騎士団の軍服とも、信奉者から贈られた何時か憧れたナタリアのそれのようなドレスとも違う粗末な衣服。
誇っていた、またユリアと同一視するような称賛を受けていた聖女ユリアから受け継いだ譜歌を封じる首輪。
ティアの未来を表すように暗く、陰鬱な雰囲気の牢獄。

その全てがティアに現状を突きつけていたけれど、それでもティアは認めたくなくて、暗い予感が脳裏に浮かぶ度に、伏せた顔を手で覆い、いやいやをする幼児のように頭を振り続けた。

上手くいっていると思っていた。正しいことをしていると思っていた。明るい未来を確信していた。

それなのに、どうしてこんなことになったのか。


新総長を追い落としてティアを新しい神託の盾騎士団総長に、そしてティアの後押しでアニスを初の女性導師に。

そう目指して新総長ディートリッヒ・フォン・シェーンベルクへの敵意を露わにしたティアとアニスに、味方する者は沢山現れた。
それはティア派やアニス派というよりも、外部から選ばれ、幾つもの改革案を打ち出しているディートリッヒに反する者達が集まったものであったが。
キムラスカやマルクトからではなく教団内からの総長候補を求め、さりとて騎士団員の信望の厚いカンタビレを担ぐことも、穏健派の信望の厚いトリトハイムの協力も得られなかった彼らにとっては、称賛と羨望を向けられる血筋や功績を持つ彼女たちは、ディートリッヒの対抗馬として適格だと思えた。

ユリアシティ市長の義孫にして、ユリアの子孫としてユリアと同一視されつつあった、ユリアの譜歌を操る美しき音律士ティア・グランツ。
最後の導師イオンを献身的に守護し、深い信頼を受けていた導師守護役アニス・タトリン。

ユリアシティの復権と自分の保身のためにもテオドーロが喧伝していたティアの美名と、アニスの初の女性導師という望みのためにもティアが喧伝していたアニスの美名。

加えてティアが自分を褒めそやす声に弱く、信奉者のような態度をとって接すれば言うままに動かせるのも、有能さよりも担ぎ易さを求める彼らにとっては美点に映った。

時にはユリアを思わせる聖女のような装いで、歌手のように歌を披露させてユリアとの同一視を煽り、時には王女のように美しく着飾らせ、称賛を浴びせてティアの機嫌を取りながら、信奉者を次々に増やしていった。

それはティアの元々の自惚れやわがままさを更に増長させ、ユリアとの同一視と信奉者の増加は、ティア自身の心の底にあった自身とユリアの同一視や陶酔を更に肥大化させていった。


やがて教団内は、祖父と派閥の者や信奉者の支援によって出世していくティア・アニス派、ディートリッヒ派、そして中立のトリトハイム派の三派へと分かれていった。
トリトハイム派は幾ら働きかけても中立を保っていたが、それもディートリッヒをどうにかすればティアやアニスの味方になると思っていたし、ディートリッヒも、ディートリッヒなどに味方する者達も侮っているティアとアニスは、着々と望む未来に向けて進んでいるつもりだった。


※アニスのスパイやイオンの死への関与などの過去の罪は周りには知られていません。







拍手[8回]

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ティア、アニス、ダアト厳しめで、二人とは違うスパイで監視者な新総長ネタを思い付いたので、少し書いてみました。
ネタはあるものの続きを書くのかは未定なのですが、・・・・・・需要あるのかなこれ。俺得すぐる。

神託の盾騎士団の総長は、アッシュが騎士団に残るとは思えませんし、カンタビレはゲーム中には出てこなかったので、本編に登場する中には次の総長になりそうな人がいないんですよね。
イオンの後の導師は、預言で選ばなくなったならトリトハイムさん辺りがいるのですが。

あれだけ騒動が相次げば、教団が抱える軍事力は危険視されそうですし、教団に残りそうなティアはあの通りですし、
教団の行く末以上に、神託の盾騎士団の行く末は暗そうな気がします。





ローレライ教団の本拠地、ダアト。
                              ・ ・ ・
教団を守護する神託の盾騎士団の新しい総長を迎えた喜びと、明るい未来への期待に沸き立つ街の中で、反対の感情を浮かべた女がふたり、顔を憎々しそうに歪めて不満を吐露しあっていた。

以前と同じ神託の盾騎士団の軍服を身に纏うティアと、かつての導師守護役のそれとは違う教団の制服を纏うアニス。
二人とも背は伸び、容姿は大人びたものに変わっていたが、その内面にはさして変化がなく、そして新総長の青年を見つめるティアの目は、出会った頃のルークをへ向けていたものと同じだった。

新しい神託の盾騎士団総長をキムラスカ貴族の子息から迎える。

それを聞いた時からずっとティアの胸には不満と、侮りと、矯正への熱意が溢れんばかりに漲っていた。


平和条約の締結以来、キムラスカとマルクトの関係は急速に改善されていった。

ケセドニアを介して間接的に行われていた輸出入は直接行われるようになり、人の行き来は活発になり、キムラスカは食糧難解決のためにマルクトから農業の、マルクトは譜業や音機関の高い技術を取り入れるためにキムラスカから工業の、技術者や学者の招聘や技術協力も活発に行われ、減少した音素の有効活用や、代用資源の研究など共同で行われるものも多かった。

その円滑化のために、長く独身を通していたピオニーはキムラスカ王族の血を引く公爵家の姫を皇妃として迎え、王妃を失くしてから同じく長く独身だったインゴベルトも、マルクトの傍系皇族の姫を新しい王妃として迎え、キムラスカ王室とマルクト皇室の姻戚関係を成立させた。
将来的には間に生まれた子供が帝位を継承すれば、キムラスカとマルクトの君主が血縁を持つことにもなる。
インゴベルトの方は老年に加えて、キムラスカでは王位継承に赤い髪と緑の眼が優先されるため、順当に新王妃の産んだ子が継承するとは限らないが、既に第二王位継承者の──ナタリアがインゴベルトの実子ではないと分かったことと『ルーク』との婚約解消によって王女の身分は保ったものの王位継承権を失ったため繰り上がった──ファブレ公爵子息ルーク・フォン・ファブレと、やはりマルクトの傍系皇族の姫との婚約が成立しており、もしもルークが次期国王になったとしても、マルクト皇室との姻戚関係は継続されることになっていた。

だがキムラスカとマルクトとの関係改善に引き換え、両国とダアトとの関係は改善するどころか、冷え込むばかりだった。

キムラスカでもマルクトでも君主の側近や相談役から教団の人間は排除され、政治への影響力は激減していた。
財政面でも貴族や富裕層からの寄進が激減したのに加えて、両国の直接の輸出入はケセドニアでの関税が収入源になっていたダアトの財政を更に悪化させ、更にはアスターを始めとするケセドニアの商人までが、泥舟から新しい船に乗りかえるかのように、教団よりもキムラスカ、マルクトに乗りかえる動きを見せていた。

元々ケセドニアの裕福な商人たちは、両国の貴族に成り上がるために貴族との関係や縁を持つ者が多く、王侯貴族がダアトへ幻滅どころか悪意を向けているとなれば、ケセドニアへも影響する。
その上に、インゴベルトとピオニーは、両国の研究や開発への商人の投資協力を求め、高い功績を挙げた者への貴族認可状を出して、貴族層へもケセドニアからの受け入れを積極的に行い、ダアトと手を切り両国に寄った者には、失った関税の旨味に代わる利便を図った。

明らかに、キムラスカとマルクトは手を組んでダアトの力を削ごうとしていた。

不満があっても、為政者や貴族の預言離れが進み、警戒されている現状では今までのように世を動かすのは困難で、裏の活動資金どころか、表で神託の盾騎士団の経費を捻出するのにも苦労する有様だった。

そのキムラスカ、マルクトとの関係改善を図る一手がこの新総長の選出であった。

先代の総長ヴァン・グランツが多くの部下を率いて引き起こした数々の惨禍とレプリカ大地計画。
ヴァンが打たれて計画が潰えた後も、大罪人を出した神託の盾騎士団への風当たりは冷たく、新総長は空位のままだった。
一時はヴァンやモースと対立して遠方に飛ばされていた、六神将の最後の一人第六師団師団長カンタビレをという声もあったが、呼び戻されて以降以降騒動の尻拭いやらヴァンと他の六神将の抜けた穴の補填やらで過労で倒れるほど酷使されたカンタビレは、もううんざりだと言わんばかりに固辞し続けて一師団長に留まり、無理に総長にしようとすれば神託の盾騎士団を抜けかねなかった。
元特務師団長のアッシュは最終的には袂を分かったとは言え長くヴァンの部下だったことと、既に正式に神託の盾騎士団を脱退して今はキムラスカの公爵家に戻り、贖罪と勉学に励んでいることからやはり無理だった。

そこにようやく就任したディートリッヒ・フォン・シェーンベルクは、キムラスカ貴族シェーンベルク侯爵家の次男で、母親はマルクト貴族、その母はマルクト皇女というマルクト、マルクト皇室との血縁関係も持っていた。

今まで内部から選んでいた総長を外部から選ぶことから反対意見も少なくはなかったが、それでもキムラスカ、マルクトとの関係改善へ期待しての賛成が大きく上回り、新しく導師となった穏健派の筆頭トリトハイムや、モースに代わる大詠師や詠師たち有力者が決定したことを、ティアやアニスに覆す力はなかった。

外部からというよりも何よりも、貴族のお坊ちゃんが上に立つことがティアには気に入らなかった。
貴族のお坊ちゃんなど、箱入りで世間知らずで、知識も能力も覚悟も足りない、自分よりも何もかもが劣った甘ちゃんに過ぎない。
ティアはそう思ってきたし、出会った頃からのルークの態度がそれに拍車をかけていた。

ルークは、ティアに礼儀も払えず、気遣いもできず、ティアを苛々させるような振舞いばかりで、背中を預けられる相手だとも思えない頼りなさだったのだから。
それを叱りつけ、正しいことを教え、矯正してやったのはティアにとって誇らしい記憶だった。
ルークがティアの想いを受け入れず、別の女性と婚約して、ティアを避けるようになった今ですら、想い合っていたのに無慈悲な政略結婚に引き裂かれたという嘆きに浸るばかりで、ルークに拒まれ避けられる原因が自分にあったなどとは欠片も思っていなかった。

かつてのルークのような態度は、貴族のお坊ちゃんというものは正されるべき間違った存在だという見方を疑わないティアには、それが部下や生徒ならともかく、上司になるなど到底認められなかった。
間違いは正すべきだ、過去に正せたのだから今回もできる、そう暗い気持ちを抱えながら明るい未来を確信していた。







拍手[43回]








最近某作品の鷹を飼っているキャラクターに萌え再燃しているので、鷹を使う夢主を少し考えてみました。
ティア厳しめ、ジェイド常識人、何故か書き進むうちにチーグル厳しめに。

オールドラントは動物っぽい魔物も多いですし、ブウサギが豚や兔のように家畜やペットになっているぐらいなので、アリエッタの他にも鷹だけではなく鷹っぽい魔物を使う鷹匠とかいそうな気がします。
出てくる魔物ではガルーダ、グリフィン、ヒポグリフが鷹系っぽかったので、もしかすると某SLGみたいにグリフィンナイトや、ヒポグリフナイトがいたりして・・・・・・。

日本の戦国時代とかの武将もそうでしたが、ヨーロッパの王侯貴族も鷹狩りを好んでいたので、鷹は贈物としても人気があり、国王や騎士団が外交に贈ることもありました。
ルークやアッシュも、ファブレ家に戻ったとしたら鷹狩りしたりするんでしょうか。
二人が鷹を手や肩に止まらせている所とか妄想すると萌えまくります。



デフォルト名:男夢主キアラン・アーヴィン、女夢主セシリア・テイラー

「荒れ狂う流れよ・・・・・・スプラッシュ!」

「レジスト!」「ヒール!」

ジェイドが止めとばかりに放った譜術がライガ・クイーンに届くかと思われた寸前、突然に後方から二つの声が響き、二種類の光がライガ・クイーンを包み込んだ。

「な・・・・・・?」

「ガアアァァッ!!」

その光に包まれたままジェイドの譜術を受けたライガ・クイーンは、苦痛に吠えながらよろめきはしたものの、倒れることはなくジェイドやルークに威嚇の咆哮を上げ続ける。

「今のは、回復と譜術防御力上昇の譜術だわ。・・・・・・また!?」

「ヒール!」

再び響いた女性の声とともに、ライガ・クイーンの身体が光に包まれ、負った傷が癒えていく。

「グゥ・・・・・・?」

再びライガ・クイーンは声を上げたが、それまで上げていた威嚇の咆哮や苦鳴ではなく困惑したような様子で、詠唱の声のした方を窺うように見ながら、卵の方へと後退りをした。

「誰ですか、邪魔をするのは!?」

ジェイドの誰何と同時に後方から出てきた男女の二人組は、ティアやイオンとはデザインが違う教団の服を纏い、淡褐色の髪と眼の女は茶色の鷹を、黒髪と橙色の眼の男は赤色の鷹を肩に止まらせていた。
ライガ・クイーンは自分に回復と補助の譜術をかけた二人を、警戒はしているようだが敵意や殺意まではない目で見つめ、卵の前に陣取ったまま、様子を窺うように動かなかった。

「あなたたちは、ローレライ教団の方ですか?」

「はい。ローレライ教団神託の盾騎士団トリトハイム詠師旗下『鷹の目』部隊所属キアラン・アーヴィン響士と申します」

「同じく『鷹の目』部隊所属セシリア・テイラー奏手と申します。導師イオン、なんという危険なこと、を・・・・・・あら?」

セシリアと名乗った女は、肩に止まらせている鷹よりも淡い色の眼を見開き、ルークの方をまじまじと見つめると「ルーク様?」と呟いた。

「え、なんで俺のこと知って・・・・・・あれ?俺もお前らのことどっかで・・・・・・あ、鷹!去年屋敷に来た鷹匠か?」

突然出てきた相手に名を呼ばれたルークは驚き、今まで何度もあったように記憶のない頃に出会った相手かと思ったが、おぼろげな既視感に加えて、屋敷に軟禁されているルークにとって鷹を連れた人間など、他には鷹狩りに出る前の父と公爵家お抱えの鷹匠ぐらいしか見る機会がなかったことで、直ぐに一年前にファブレ公爵邸を訪れた鷹匠の二人組だと思い出した。

「鷹匠?・・・・・・そういえば、グランコクマで教団から鷹匠の男女が訪れる予定があると聞きましたが・・・・・・」

「はい。その任を終えてグランコクマからケセドニアに向かう途中に、ローテルロー橋が落ちていたので予定を変更してエンゲーブに立ち寄ったのですが、導師イオンが御一人でチーグルの森に向かわれたという村人の噂を耳にして、驚いて追ってまいりました」

「まさかライガ・クイーンと戦っているとまでは思いませんでしたが・・・・・・」

二人が危険な真似をした自分を心配していると気付いたイオンは、眉根を下げて謝りながらも、チーグルのことを思うとこのまま戻るわけにはいかないという思いもあって食い下がる。

「すみません・・・・・・でも、僕はどうしてもライガ・クイーンと交渉しなければならないんです」

「交渉?私には戦闘にしか見えませんでしたが」

「戦闘になったのは、イオン様の交渉に応じなかったライガ・クイーンが悪いのよ。気にせずに倒してしまいましょう。あなたたちも騎士団の人間なら協力しなさい」

響士、奏手と名乗ったにも関わらず、別部隊の響長に過ぎないティアに上から命令するような物言いをされた二人はカチンときたらしく、異口同音に「君に命令される謂れははないぞ」「あなたに命令される謂れはないのだけれど」と返す。
それにカチンときたティアが言い返しかけた声は、ルークの声に遮られ、ルークへ叱責しようとした声もまたキアランの同意に遮られる。

「あれの何処が交渉だよ!?ここから立ち去れとしか言わなかったじゃぬぇーか!こいつらが住んでた北の方はチーグルが焼いちまったのに、住み着いたここからも立ち去れって言われたら、もう行くとこねーだろ?しかも卵が孵る時に母親に行き場のない流浪しろってのか!?」

「ちょっとルーク!」

「・・・・・・導師イオン、ルーク様の言われた通りです。彼らが元の住処をチーグルに焼かれたために此処に移住したというのなら、新たな土地を提供もせず、ただ立ち去れと言われても、彼らに行き場はなく、ライガ・クイーンの出産間近で動きも制限されているのでは尚更です。ただ追い出すだけでは、住処を失った群れはそれこそ人間の街を襲いかねません」

「なら殺すべきだわ!街の近くに住むライガは繁殖期前に狩り尽くすものでしょう?いい加減に邪魔をしないで!!」

ライガ・クイーンを倒す邪魔に加えて、二人が命令に従わないことやルークを叱ろうとしたことも邪魔されたことに苛々したティアは、年上で階級が上の二人に対してルークにしてきたのと同じような態度で言い放った。

「チーグルに焼かれたために此処に移住したということは、このライガの群れは『街の近くに住むライガ』ではなく、『街の遠くに住むライガ』だろう。チーグルの起こしたアクシデントがなければ、本来は此処にいるはずがなかった群れだ」

先程の命令口調や態度のせいか、ティアの混同に呆れているのか、イオンやルークに対するのとは違い、やや乱雑な言い方になったキアランが説明し、だからなんなのよと言いたげに睨んでいるティアの反応に溜息を吐いた。

「『街の近くに住むライガ』は、確かに繁殖期前に狩られるわ。そしてそれは繁殖期の現在には、既に終わっているのよ。私たちはエンゲーブに来る前にはマルクトの首都グランコクマに滞在していたけれど、恒例の繁殖期前の狩りを済ませたマルクト軍の一隊がグランコクマに帰還する所を見ているわ。この上に更に本来狩る予定のなかったライガを狩るのは、過剰にライガの頭数を減らすことになってしまいかねないでしょう。ライガは別に人間だけを襲っているわけではなくて、草食性の生物の肉も捕食しているし、街から遠い森の奥に住むライガはむしろそちらが主な食糧よ。そしてその草食性の生物の餌は、森林の樹木や草などの植物。草食性の生物を捕食する肉食性の生物の減少は、草食性の生物の増加へと繋がり、植物の減少へと、そして足りなくなった餌を求めた草食性の生物の人里への流入、農作物の被害へと繋がっていく恐れがあるの」

口調は落ち着いているものの声音と視線がやや冷たくなっているセシリアが続けた説明に、ティアはやっと意味が分かった様子で顔色を赤くして言葉に詰まり、逆にイオンは顔色を悪くして呟いた。

「本来の食物連鎖の形を、僕たちが崩してしまう、ということですか・・・・・・?」

「はい。正確には、ただでさえ崩れかけている食物連鎖の形を、更に崩して拍車をかけてしまうといった所ですね。エンゲーブの村では、ライガ以外にも普段は見かけない生物を見かけるようになったという話も耳にしています。恐らく、チーグルの所為で起きた火事で、既に北の地の植物の多くが失われ、住処と餌を求めた草食性の生物が多数流入しているのでしょう」

外国人のイオンやルークやティア、マルクト人ではあるがこことは遠く離れたグランコクマ在住でケテルブルク出身のジェイドには、火事以前のこの辺りの生物の分布など知らないために気付かなかったが、考えてみれば北の地に住んでいたのがライガだけということもあるまいし、肉食のライガが住んでいた地なら餌になる草食の生物がそれなりにいただろうから、他にもこの森に流入した生物がいると考えるのは自然だった。

「・・・・・・なあ、もしかしてライガ・クイーンがチーグル族に要求した餌って、その元々住んでいた所から流れてきた生物を狩って来いってことじゃねーのか?」

「みゅ?!?」

思ってもいなかった指摘に、ミュウは飛び上がらんばかりに驚いてみゅ、みゅ、みゅと短い鳴き声を忙しなく連呼する。

「こいつらは『街の遠くに住むライガ』なんだろ?餌を要求するにしても、村で人間が飼ってる家畜なんて縁がなかった食物よりも、野生生物の方を食いたがるんじゃねぇか?しかも同じ所から流れてきた食い慣れてる生物いるんなら尚更だろ。定期的に食糧を届けないとチーグルを食っちまうとは言ってたけど、逆に言えば餌の保証をちゃんとすればチーグルを食うまではしないってことだし、チーグルでもエンゲーブの家畜でもねぇなら、後はこの森の生物だろ。ライガ・クイーンは『村から』とか『人間から』盗って来いって要求したのかよ?」

「みゅう・・・・・・ライガ・クイーンさんは『定期的に餌を届けろ、でなければチーグルを餌とするまでだ』としか言わなかったそうですの・・・・・・」

「でも、チーグルは草食なのよ!狩りなんかできるわけがないじゃない!」

「草食性の生物にも、時に肉食性の生物すら撃退するような強さを備えたものもいる。一概に草食性だから弱いとは言えないぞ。チーグルは魔物の中でも知能が高く、読み書きができるとか人間に匹敵するとか言われているほどだから、あるいは知能の方に期待していたのかもしれないな」

「草食性といってもチーグルは炎を吐けますし、成獣になると実に50cmもの炎を吐けるようになるわ。知能の高さを考えれば、炎で追って罠や網、動き難い沼地などに追い込んで狩猟をすることだってできるかもしれないわね。見かけとは違って、脆弱な生物でないし、むしろ攻撃力の高い方に分類されるわ」

「50cm!?お前ら、そんなにデケー炎を吹くのかよ?」

ソーサラーリングを使ったミュウの炎でもそこまでの大きさはなかったのに、リングを使わずとも成獣が50cmもの炎を吹くとは思いもしなかったルークは驚愕し、ティアも可愛らしいチーグルの印象に合わなかったのか言葉を失ってミュウを凝視した。

「ミュウはまだ子供だからリングがあっても大きい炎は吹けないですの。でも、大人のチーグルだったらリングがなくても大きい炎を吹けますの~」

「なら、なんで最初っからその力で狩りをしなかったんだよ?」

「みゅみゅ?ミュウには分からないですの。長老の指示ですの」

「・・・・・・ともかく、これは部外者の私たちが決めて良い問題ではありません。ライガ・クイーンとの戦闘を中止し、当事者であるエンゲーブにも相談してから対処すべきだと思われます」

「馬鹿なこと言わないで!大体エンゲーブには関係ないでしょう!?」

戦闘を邪魔した上に中止すべきだと言いだしたキアランに、一層気分を害したティアが噛み付かんぱかりに喚く。

「だから、増えすぎた草食性の生物が森を食い荒らした上に人間の農作物まで食い出すかもしれないって言っただろう?その時にまず被害を受けるのは、それこそ森のすぐ近くにあり、農業が盛んなエンゲーブだぞ。それに森の近隣にある村落の生活物資は森に依る所も大きいんだ。森で狩猟や採集によって得る食料はもちろん、家畜の飼料になる木の実、薪や建築資財や木製品の原料になる木材なども森から生産されるものだ。森が食い荒らされてそれらを得られなくなれば、近隣の農村も被害を受けるし、牧畜にだって影響する。人工林から採ってる分もあるが、それだって農作物と同じように草食性の生物が増えすぎれば被害を受ける。何重にもエンゲーブには関係があるし、この問題の当事者のひとつと言っていい」

鬱陶しくなったキアランが、それを隠しもしない口調で説明するが、ティアはその内容の是非よりもルークが自分を鬱陶しがる態度との相似を感じ、ますますキアランへの不快を募らせて、ルークの態度に苛立った時にしてきたように罵ろうとした。

「・・・・・・私も、この二人の意見に賛成です」

「え!?」

表れた時から積極的にライガ・クイーンとの戦いに加わり、一度は譜術で撃ちとりかけたジェイドまでが反対するとは思いもせず、ティアはキアランを罵るのも忘れ、驚愕に不満を交えたような声を上げた。

「先程はライガ・クイーンがここにいる理由も、イオン様が戦う破目になった理由も知りませんでしたから、イオン様を守るために参戦しましたが、話を聞いた後では慎重にならざるをえません。森林と農村の生活や経済との均衡やこの辺りの生態系は、軍人の私は門外漢ですし、ローズ村長ら地元の人々の意見も聞かずに先走れば、下手をすればエンゲーブの生活や経済、この辺りの生態系へのダメージを与える結果になってしまうかもしれません。それに、確か北の地のライガ・クイーンは人間の孤児を拾ってまるで実の仔を育てるように慈しんで養育していたと聞きますし、チーグルに対して問答無用で餌にするのではなく、餌の提供を要求し、それが滞れば食らうという対応だったことを考えれば、話し合いも可能かもしれません」

ルークの反対はお坊ちゃんの甘ったれと見下してきたティアも、自分よりも優秀な譜術の腕を持つ、歴戦の軍人然とした大人のジェイドにまでが反対し始め、とうとう三人の軍人の全員が反対に回ったことに唇を噛むが、かといってこの中で一人討伐を主張するには不安があり、最後の望みとばかりにイオンの方を無言で見詰める。

「そのチーグルの仔は人間の言葉を話せるようですが、私の謝罪をライガ・クイーンに通訳して頂けますか?」

「ぼ、僕もライガ・クイーンに謝らなくては・・・・・・そして、今度は本当に、ちゃんと交渉しなくては・・・・・・」

「みゅっ!わかったですの!」

イオンはティアの視線の意味に全く気付かず、ジェイドに同意して共にライガ・クイーンに向かって謝罪する。
それをミュウが通訳すると、ライガ・クイーンの敵意が僅かに和らぎ、張り詰めていた場の雰囲気も和らいでいく。

その中で、ティアだけが鬱屈とした気分が募るばかりで、親におねだりを流された子供が不貞腐れるような表情になり、最初に反対意見を唱えたルークと、ライガ・クイーンを倒す寸前に割り込んだキアランとセシリアを交互に睨んでいた。

北の森の焼失と生物のこの森への流入、そして草食生物の増加による森林の荒廃の恐れは近隣の住民にとっても問題であり、彼らと話し合ってライガを狩る以外の方法で問題の解決に当たりたい。
また北の森の復旧も人の手による植林が行われた方が復旧が早く、人間との揉め事を避けて、人間を交えて問題の解決を図ることは、ライガが本来の故郷に戻るためにもなる。

ジェイドとイオンの謝罪に続けて、キアランとセシリアがそう状況を説明し終わった時、やっとライガ・クイーンは敵意を納めて頷くと、緊迫を残した雰囲気を振り払うように一声、威厳を帯びた穏やかな鳴き声を上げた。




その後ローズたち村の有力者、チーグルの長老、ライガ・クイーンとが、通訳のミュウを連れたルークたちや、キアランたちの鷹による伝書鳩ならぬ伝書鷹を介して話し合った結果、

・チーグル族はエンゲーブの住民と共に、炎を活用して狩猟を行い、その肉をライガに餌として差し出す。また村で雑用を行い、得た賃金で購入した家畜の肉も同様にライガに餌として差し出す。

・エンゲーブの住民は焼失した北の森の植林を行い、その費用は村人から集められる。同時にグランコクマのピオニー皇帝に報告と、援助の陳情の使者を向かわせる。

・ライガは北の森の復旧までは此処に住み続けるが、人間とチーグルを襲わない。また生まれた仔ライガにも襲わせない。正し、チーグルに関しては餌の提供が滞った場合にはその限りではない。

・チーグルが盗んだエンゲーブの作物の代金、そして北の森の植林費用は、ライガの一件が解決した後も、引き続き狩猟や、村で雑用を行うことで償う。

・ミュウは火事を起した罰として一年間群れからの追放になるが、その間はイオンやルークたちに同行し、問題解決への尽力と、またルークに庇われたことへのお礼に一年間尽くす。

などの条件が決められ、ひとまず問題の解決策は決定し、イオンたちはミュウを連れてエンゲーブの村を去ることになった。



次の日、チーグルの森とエンゲーブ村から離れて行く戦艦タルタロス中で、イオンは北の方向を見つめて溜息を吐いていた。

「チーグルたちは、これから長く贖罪を続けなければならないのですね・・・・・・」

交渉の結果チーグルが背負うことになった多くの贖罪に納得がいっていないのか、問題が一段落したというのにイオンの表情は沈鬱だった。

「チーグルが教団の聖獣といっても、マルクト領内での犯罪をなかったことにしてくれというのは度を越しています。チーグルへの酌量を口添えするまでしか、教団にできることはありませんよ。知能の高い魔物は、人間の生活圏で犯罪を起せば、動物裁判にかけられて重い刑罰を受けることだってありますし、森を焼かれた恨みでライガに食いつくされることだってありえたのを思えば、贖罪を課せられたとはいえ、罰としては軽い方です。それに森の生態系が乱れることは、チーグルにとっても人事ではないのですからね。草食生物の増加で森が荒れれば、チーグルも餌の競争率が激しく、生存が苦しくなります。生態系の復旧に人間の協力を得られるなら、悪い話ではないでしょう」

キアランがイオンを元気づけるというよりは、チーグルを突き放すように言うと、重ねてセシリアも、穏やかな口調ながら、やはり何処かエンゲーブの問題を、距離をおいて捉えることをイオンを促すように言う。

「成獣のチーグルの炎は強力ですから狩猟や、畑や家畜を狙う獣を追い払うのには役に立つでしょうし、知能が高く器用なチーグルは、幾つかの雑事なら行えるでしょう。どうせライガを狩ったとしても、ライガが捕食するはずだった分の草食生物を人間が狩って帳尻を合わせるか、畑を荒らしに来た時に戦うかしなければならなくなるでしょうし、どちらにしても村人に狩猟の負担はかかります。北の森の植民も、ライガだけではなく森の生態系全体の問題となれば、どちらにしても費用をかけてでもエンゲーブかマルクトが植林を行うことになっていたでしょう。森林を過度に荒らされないためにも、長期的に生態系を破壊する危険を犯すよりは、一時的には負担が大きくとも生態系の維持と保全に努める方を選ぶのは賢明な選択ですし、退っ引きならなくなってから行うよりも、早いうちに行った方が復旧も早くなります。どちらにしても、森と農村との均衡やこの辺りの生態系を熟知している地元の人々が決めることですよ」

望んだ結果とは違ったとしても、もっと悪い結果が幾らでも考えられたことを思えば比較的良い方だったのだと、そう思いなおして心の内で区切りをつけたイオンは二人に頷くと、明るさを取り戻した顔で話を変えた。

「そういえば、二人はルークと面識が会ったのですか?鷹匠だと言っていましたが」

「ああ。一年ぐらい前に、俺の屋敷に鷹連れて来たことがあるんだよ」

「鷹を連れて、キムラスカの公爵家に・・・・・・ですか?」

意味が分からないという風に困惑しているイオンを見て、やや眉を顰めながらキアランが説明する。

「私たち鷹の目部隊は神託の盾騎士団に所属する特殊部隊で、譜術や剣や銃も使いますが、本業は鷹匠をしておりますから、キムラスカ、マルクト両国の王侯貴族の方々へ鷹を贈り届けるのも仕事のひとつです。王侯貴族の方々は鷹狩りを好まれますから、良い鷹は贈り物として非常に喜ばれるのです。今年はグランコクマでピオニー皇帝陛下に鷹をお贈りしましたし、去年はキムラスカのバチカルで、インゴベルト国王陛下と、ルーク様のお父上のファブレ公爵にも鷹をお贈りしました」

「その折にルーク様ともお会いしましたね。あの鷹は元気にしていますか?」

「ああ、俺は鷹の善し悪しは分かんねーけど、父上は良い鷹だってベタ誉めして、スゲー可愛がってるぜ」

ルークと談笑しているセシリアも、一瞬イオンの方を見て目を細めた後、キアランと目を合わせて僅かに頷いた。

キムラスカ、マルクトとローレライ教団の外交関係を円滑にするために、また特に金以上の価値を持つ情報を手に入れるためにも、神託の盾騎士団が有力者に鷹を贈るのは今に始まったことではないし、特に王侯貴族に喜ばれる鷹は贈り物の中でも有名な品のひとつになっていた。
両国と教団の外交になど縁のない一般人なら分からなくとも、幼い頃からダアトで導師教育を受け、八歳で導師に就任してから七年間も経つイオンが神託の盾騎士団の鷹匠がキムラスカ貴族の屋敷へ鷹を連れてきた意味を分からないというのは、二人には不自然に映っていた。

しかしイオンは、自分の言動に二人が不審を抱いていることすら気付かないようで、納得した様子でにこにこと笑っている。

「なんか森のこととか詳しかったけど、それも鷹匠だからなのか?」

「いえ、私たちはダアトのあるパダミヤ大陸の森林近くの村の出身なので、エンゲーブと同じように、森に依拠して生活している所が多いのです。鷹匠や鷹を用いた狩猟をすることも多いのですが、エンゲーブに比べれば小規模ですが農業や牧畜もしておりますし、森と人との関係は身近なものでした」

「聞いたことがあります。ダアトの北の森近くに、優れた鷹匠の一族がいて、鷹や鳥たちと共に暮らしていると・・・・・・」

「ピィィー!」

「あ?あの鷹、お前のじゃねーか?」

何時の間にかセシリアの肩から離れていた茶色の鷹は、頷いたセシリアが差し出した腕に止まると、またピィィーと何かを知らせるような声で数回鳴いた。

「前はちょっと見ただけだから分かんなかったけど、その鷹も、キアランのも、良く見ると父上が持ってる鷹たちとなんか違うよな」

「ええ。この鷹は、パダミヤ大陸の一部地域特有の珍しい種ですから。飼育が非常に難しく、ずっと暮らしを共にしてきたような間柄でなければ使いこなせないので、贈物にはしていません。この鷹を使うのは、私たち一族の者だけです」

「へぇ~」


※取り合えずここまで※




■考察&元ネタ&設定

※チーグルは成獣になると50cmの炎を吐ける。
チーグルは「成獣になると小さな炎を吐ける」とされていますが、ワイヨン鏡窟にいたチーグルのスターが吐いた炎は、アニスの身長の三分の一もありました。
アニスの身長は152cmなので、50cmもの炎を吐いたことになります。「小さな炎」・・・・・・???
スターは話し方がミュウ同様子供っぽかった気がするのですが、まだ成獣ではないとすれば、成獣が吐く炎は更に大きい可能性も・・・・・・。

※ただでさえ崩れかけている食物連鎖の形を、更に崩して拍車をかけてしまう。
外郭大地降下後に起きるサブイベント「エンゲーブの魔物退治」で、エンゲーブの畑が荒らされる事件があり、ローズさんは今までも似たようなことはあったが、群れでは来なかったし、魔物の種類が全然違うと困惑していました。
また村人の話には、一種族じゃなく混ざった群れで行動、数が半端じゃない、荒らされるのは果物ばかりとありました。
ガイは外郭大地崩落の影響による生態系変化と推測していましたが、もしかしてチーグルが北の一帯を焼いたことによって餌と住処を失った草食性の生物がエンゲーブ近くの森にまで流入したり、今までのように『街の近くに棲むライガ』だけではなく『街の遠くに棲むライガ』まで狩ったことによる肉食性の生物の減少、天敵が減った草食性の生物の増加、森を食い荒らして餌がなくなる、餌を求めて森を出て人里の畑に群れを成して表れる、という流れの生態系変化ではないかと思ってしまいました。
単に外郭大地の生態系が変化したにしては、数種類の群れにも関わらず荒らされるのは果物ばかりと、草食性だけが襲ってくるのは不自然ですし。
アリエッタが『お友達』を使いまくり、倒されまくったせいもあるかもしれませんが。
仮に北の森の焼失が原因だとすれば、森を焼いたチーグルはエンゲーブの村人に恨まれ、結局は生態系回復のための植林や、森林と畑を守るための草食生物の狩猟に村人の費用と労力がかかるかもしれませんね。
漆黒の翼によるローテルロー橋の破壊に加えて、エンゲーブは序盤から災難続きですね。

※草食性の生物を捕食する肉食性の生物の減少は、草食性の生物の増加に、植物の減少へと繋がる。
狼が絶滅してしまった今の日本では、増えすぎた鹿や猪の食害が深刻な問題になっています。
鹿は樹皮を剥がして食べてしまうので樹を枯らせてしまいますし、本来の主食になっている植物以外まで食べだして、植林も追い付かず禿げたようになってしまったり鹿の嫌う植物だけになってしまった所が沢山あるそうです。
元々日本で狼信仰や蛇信仰があったのも、草食性の動物を狩ってくれることが農耕の盛んだった日本人には有益だったからとも言われています。
人を襲うという一面だけを見て肉食性の生物を過度に狩ってしまうことは、後で重いしっぺ返しがくることもありえます。
地元民のエンゲーブの村人はおろか、マルクト人がひとりもいなかった状況で、ダアトの導師や響長が勝手に決めて良いものだったのか疑問です。(ジェイドの参戦は戦闘真っ最中、ルークは戦闘に気が進まず)

※ライガは北の森の復旧までは此処に住み続けるが、人間とチーグルを襲わない。また仔ライガにも襲わせない。
アリエッタが何年もライガ・クイーンに育てられて無事だったのを考えると、クイーンがちゃんと教えれば、仔ライガは人肉を食べないんだと思います。
人肉を好むと言っても人肉しか食わない訳ではないでしょうから、餌自体は他の生物の肉でも良いですし。

※動物裁判
中近世のヨーロッパなどで行われた裁判です。
牛馬、犬猫、更には虫や無機物まで裁かれたという謎裁判ですが、オールドラントは多数の魔物に加えて、チーグルのような人間並みに高い知能で字の読み書きまでできる魔物がいるくらいなので、オールドラントも動物や魔物を裁くことがあるかもしれませんね。

※ローレライ教団神託の盾騎士団トリトハイム詠師旗下『鷹の目』部隊所属
ティアがモース大詠師旗下情報部、アニスが特殊部隊の導師守護役所属なので、夢主の所属はトリトハイムさん旗下の鷹匠や鷹系の魔物を扱う人間で構成された特殊部隊にしました。
仕事は戦闘よりも、鷹の捕獲、飼育、調教、他国の王侯貴族等への鷹の贈呈と、後進の鷹匠の育成が主要です。
夢主たちが使っている鷹は、鷹系の魔物で、普通の鷹より知能や能力が高く、伝書鷹までできますが、その代わり鷹よりもずっと飼育が難しく、売ったり贈っても新しい飼い主に到底懐かないため、一般的な鷹狩りには使われず輸出もしていません。

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ルーク嫌われ未満の話をDREAM【小説・短編】の方に更新しました。
最初は所謂キャラ嫌われをルーク嫌われでやろうと思ったのですが、ルークは既に加害者への態度を普通の仲間や友人への態度のように非難され、加害者に犯罪で出会った頃を背中を預けられる相手だと思えなかったと数カ月後にまで言われ、友人に殺されかけて落ち込めば自分に原因があったように言われて二次被害を受け、仲間の女性を気遣えばティアを傷付けていると責められているので、嫌われる前に解決する展開にしてみました。

主人公が悪くないことを悪いと言われ続け、パーティに長年の友人や従姉や大人がいるにも関わらず解決されないってどういうことなの…。

昨日TOA【小説・短編】にも一本更新しているので、珍しく連続更新になります。
ピオニー陛下はどうにもジェイドへの厚遇は個人的な好意と皇帝としての信頼とを混同しているように思えてしまいます。
個人的な性格の点も、ジェイドのサフィールへの虐めを収容所送りになるかもしれなかった屋敷侵入の囮の件すら笑い話のようにしていたり、未収録のサブイベントにケテルブルク時代にジェイドとサフィールトが嗾けた魔物をピオニーが倒して小遣いとお菓子をせしめていたマッチポンプの上にサフィールの取り分はピオニーが奪っていた過去話があったりと、どんどんツッコミ所が増えていくので、個人的な性格も結構疑問だったりするのですが。
本当にディストのこと友人だと思っていたのでしょうかこの人……。



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ユリアシティを中心に、ユリアと何処かにいると伝わるユリアの子孫に対する信仰が根付いていたローレライ教団。
ユリアシティでユリア子孫のヴァンとティア、特にユリアと同じ女でユリアを被らせるのに適していたティアがその信仰の対象になって、蝶よ花よの扱いを受けるようになる。
本編のような問題を起しまくっても『ユリアの子孫だから』許される、罰を下せない、ちやほやされ続ける。
それを自分はユリアの子孫だから!と当然のように受け入れてきたティアだったが、ファブレ家襲撃でユリアの譜歌を使ったことが広まってからは状況が変わり、ティアが問題を起こすと許されなかったり、罰を受けたり、ちやほやされなくなる。

私はユリアの子孫なのにどうして!と不満げなティアに、原因はお前自身だ、と言われる。

ユリアの子孫はユリアと同じように賢く、慈悲深く、立派な人間だという信仰が、盲信があったから、今までお前は何をしても特別に許されちやほやされてきた。
しかしお前がユリアの譜歌を悪用したことで、ユリアの子孫といえどもユリアではないのだから、ユリアと同じように賢くもなく、慈悲深くもなく、立派な人間でもないということを、みんなは気付いた。
今までもお前が問題を起してきたことでその土壌は育まれていたが、お前がユリアの譜歌の悪用という、ユリアの子孫という後盾をぶっ壊すような事件を起こしたことで、完全に幻滅されたんだ。

ユリアの譜歌を悪用し、ユリアを被らせる信仰対象ではなくなったお前は、昔とは違いやったことを厳しく責められ罰せられ冷たくされる、ただびとになったということだ、と。

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二次創作サイト『bubble』の生存報告と、小ネタ、小話、感想等投下用ブログです。 アンチ、ヘイト、厳しめ傾向や女性向け、ネタバレなどが含まれることがありますので、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
           
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